+++ HAIMERがWinTool AGの株式25%を保有、TCMグループとの世界的な戦略的パートナーシップに合意 +++
HaimerがWinTool AGの株式25%を保有しました。これによりTCMグループはHAIMERを戦略的パートナーとしてWinTool及びToolbaseの世界的な販売権を付与しました。
この決定に先立ちHAIMERは自社の工場でWinTool及びToolbaseを導入し検証を重ねました結果、短期間で非常に優れた効果を確認出来たために、今回の出資の判断となりました。TCMは将来的にHAIMERが、工具管理分野のコアビジネスであるツールホルダー、シュリンクフィット装置、バランサー、ツールプリセッター分野に秀でた戦略的サプライヤーとして連携を深めて参ります。
製造業においては工具管理の重要性がますます高まっています。工作機械周辺機器メーカーの世界的企業でありマーケットリーダーであるHAIMERは、シュリンクフィット装置、バランサー、ツールプリセッターなど工具室の革新的なソリューションを長年提供してきました。
EMO 2023で、HAIMERは従来の工作機械周辺機器に加え工具管理を行うハードウェアとソフトウェアの提供をする重要な一歩を踏み出しました。
工具在庫、加工プログラムなど生産現場を一括管理する独立したソフトウェアシステムの「WinTool」と引き出し内の在庫管理/発注を一括で管理するディスペンシングシステムの「Toolbase」の2商品がそのラインナップに加わります。
WinTool及びToolbaseをラインナップに加えるにあたり、HAIMERはWinTool AG、Achterberg GmbHが属しているTCMグループとパートナーシップを結び販売網を築いていきます。両社はWinTool及びToolbaseを長年に渡り提供し続けており、お客様からも高い評価を得ています。
HAIMERがWinTool AGの株式25%を保有したことにより、このパートナーシップはより戦略的且つ長期的に世界的な販売契約を通じて強化していきます。今後、HAIMERはWinTool、Toolbaseの両商品も工作機械周辺機器の一部としてお客様に提供していきます。
TCMのCEO Markus Temmel氏は、WinTool AGの新しいパートナー且つ大口出資者であるHAIMERとの世界的な協力について満足しており、次のようにコメントしています。「2023年、私達は集中的に協力し合い、非常に短期間で大きな成功を収めることができました。HAIMERとTCMグループの製品群は相互補完しており、お客様のニーズに対して最高の解決策を提供できると考えています。HAIMER及びTCMグループは、お客様の長期的な利益のために設計された、実用的で高品質なソリューションを提供します。さらに、HAIMERの製品群は、工具管理事業分野における私達のサービス範囲を充実させ、工具管理サービスにおける私達の市場地位とマーケットリーダーとしての地位を固めると確信しています。TCMのすべての工具管理システムを導入しているお客様は、将来的にグローバルにその恩恵を受けることになるでしょう。我々は戦略的パートナーシップを強化し、HAIMERをWinToolのパートナーとして迎えることを楽しみにしています。」
デジタル工具管理の提案
HAIMERグループの社長Andreas Haimer氏は次のように説明します。「TCMグループとの戦略的パートナーシップの合意とWinToolへの投資は、私達の戦略に合致しています。私達は、工具室管理のデジタル化と自動化に関して、一貫した全体的なコンセプトを世界中のお客様に提供したいと考えていました。これには、お客様が業務でより高い生産性を実現でき、実装が簡単な商品とソフトウェアのソリューションが必要です。新商品のWinToolとToolbaseはお客様に最高の工具管理システムを提供することができます。これらの両商品は工作機械を200台以上使用する自社工場に4カ月という記録的な速さで導入し、成功を収めています。
また、EMO 2023でのお客様からの素晴らしいフィードバック、そしてTCMチームとの信頼できる強力関係が、私達が次のステップに進むことを後押ししてくれました。」
自社工場にソフトウェアを導入
HAIMERは市場に投入する新製品は必ず自社工場でテストします。「私達は金属加工を行っている企業です。イーゲンハウゼンの本社と近隣もモーツェンホーフェンの工場で、一日当たり最大4,000本のツールホルダーを製造しています。3Dセンサー、バランサー、シュリンクフィット装置、ツールプリセッターも自社で製造しています。そのため、工具管理を最適化することが大事と考えています。」とAndreas Haimer氏は説明します。
HAIMERは、社内の装置にWinToolとToolbaseを非常に短期間でネットワークに接続することに成功しました。
「これらの商品が現場に簡単に導入できることは、市場にとって大変重要なことです。」と、プロダクトマネージャーStefan Echle氏は説明します。
「私達は短時間で、既存の工具、スペアパーツなど合わせて10,000以上アイテムをデジタルツインとしてWinToolデータベースに入力しました。それ以外にも製造にかかわるプログラムやノウハウなどすべての情報をデータベースで一括管理しました。そうすることにより、作業者にかかわらず、誰でもいつでもデータを利用できることになります。また、Toolbaseシステムを既存のロータリーストッカーとネットワークで繋ぎ、工具や消耗品の在庫管理も行うこともしてきました。」
社内のスタッフへのトレーニングで、改めてこれらの商品が非常に実用的な構造を実装していることが認識できました。「ソフトウェアはユーザービリティが高く、誰でも簡単に操作できます。現場のスタッフはこれらの商品を何の問題もなく使いこなすことが出来ています。」とStefan Echle氏は説明します。
WinToolで何ができる?
工具とデータ管理のソフトウェアソリューションとしてWinToolは工具、加工プログラム、加工工程表など製造現場の一括情報管理を可能にします。WinToolはモジュール構造です。「お客様のニーズに応じてWinToolで管理するボリュームを決めることができます。」とStefan Echle氏は説明します。「最初は既存の工具をデジタルツインにします。それらのデータを入力するところから始まります。データの収集と整理が最初のステップです。」お客様が既存の工具データをお持ちの場合は、そのデータをインポートできるオプションも提供しています。WinToolには2D、3D図面も読み込ませることができます。
最初のステップを完了すると、お客様は自社工場内のツールの使用状況等が確認できます。第2のステップでは在庫の消費量から最適な工具在庫を決定するところまで導きます。
「それぞれの工具の工具寿命をWinToolに保存することもできます。これは、機械加工で工具を経済的、効率的に管理するのに不可欠です。」とStefan Echle氏は説明します。また、このシステムのもう1つの強みを次のように付け加えます。
「3Dデータのツールを作成するのは、CAMシステムよりもWinToolの方がはるかに簡単にできます。」CAD/CAMシステムへのツールデータ転送も問題無く行えます。WinToolはこれら様々なシステムへのインターフェースを標準で提供しています。複数のCAD/CAMシステムをご使用のお客様でも対応可能です。
WinToolのエリアセールスマネージャーであるThimo Rotter氏は次のように要約しています。「WinToolはすべての工具データに最適なハブであり、他社システムであるCAM、ERP、Toolbase、プリセッターなどにも一貫性のある関連データを提供できます。」
もちろん、WinToolにはさらに多くの機能があり、HAIMERはその機能を徐々に拡大する予定です。このソフトウェアは、リソース ライブラリとしてだけでなく、CNCデータおよびプロセス管理、在庫管理にも適しています。WinToolのメリットを纏めると「プログラミングとセットアップ時間の短縮、ツール在庫の削減、ドキュメントの統合、そして最終的に生産性の向上」に繋がります。
HAIMER Toolbaseでピンポイントに工具をピックアップ
日々の消耗品や測定器具の管理を補うシステムとしてToolbaseを紹介します。使いやすいソフトウェア設計のToolbaseシステムによりピンポイントで必要な物をピックアップできます。
「既存のロータリーストッカーにToolbaseソフトウェアシステムを導入しました。」とStefan Echle氏は説明します。「このToolbaseシステムによりツールの検索時間、継続的な在庫管理などコストのかかるプロセスが削減されました。」
ToolbaseはWinToolのロジスティクスモジュールとして結合されることが理想的です。WinTool以外にもToolbase は、他の管理システムと組み合わせたり、エントリーレベルのソリューションとして部品リスト管理をマニュアルで操作することも可能です。
管理システムをまだ導入していないお客様にとってHAIMER MicrosetのツールプリセッターとToolbaseシステムの組み合わせは興味深いソリューションです。」とStefan Echle氏は説明します。
Toolbaseシステムを採用すると工具や消耗品などが毎回短時間で正しく取り出すことができます。ログイン方法についてはバーコード、ICチップ、手動入力など様々あります。余分な時間と在庫が削減されるため、導入初日から効果が現れます。
正確な消費データは透明性も生み出し、より効率的な管理と保管コストの削減のキーとなります。HAIMER勤続年数45年の工場マネージャーのManfred Mayr氏は次の通りに説明します。「最初の数カ月で余分な在庫を削減することができており、WinTool及びToolbaseシステムへの投資は6~12ヶ月以内に償却できると期待しています。
初めて見た瞬間から、WinToolとToolbaseのシンプルさとユーザービリティの高さに感銘を受けました。モーツェンホーフェン工場にある120台を超える工作機械のオペレーターは、Toolbaseシステムを介して消耗品を自ら調達しています。Toolbaseシステムの自動発注機能により、常に十分な工具の在庫が確保され、1日あたり約4,000本のツールホルダーの製造に完全に集中できます。」
HAIMER で効率的なデジタル工具管理を実現
HAIMERグループの社長Andreas Haimer氏にとって、WinToolとToolbaseはCNC製造現場のデジタル化における重要な要素として以下の様に述べています。
「私達は自社工場で実施したテストから改善/改良を行い、それらの経験と共にお客様にサービスを提供しています。私達は、アナログ及びデジタルのHAIMER製品による工具管理が、自動化の増加に伴い今後も重要性を増していくと確信しています。すべてのシステムはモジュール式なので、どのお客様もデジタル化をスタートする時に適切なサービスを選択できます。」
将来的にはすべての HAIMER MicrosetプリセッターはWinToolを標準で装備するようになります。お客様はWinToolを用いてわずか数分でデジタルツインが作成できるようになります。
HAIMERは自社製品の図面データをDIN 4000(ISO 13399)に準拠したSTEP及びDXFデータを提供していきます。これらのデータはHAIMERホームページもしくはTooltracerのサイトからダウンロードできます。