FAQ: バランシングマシンを使う理由
バランスについてのお客様から多くの問い合わせがHAIMERに多く寄せられています。次のページには「よくあるご質問(FAQ)」を掲載しています。
お客様のご質問がこのページに記載されていない場合はお問い合わせフォーム もしくはHAIMERの担当者にご連絡お願いいたします。お問い合わせを心からお待ちしております。
「工具は1,500rpmでしか回転しません。バランスをとる必要はあるのでしょうか?」
バランスの良い工具の利点は主軸回転数が高ければ高い程、顕著に表れます。原則として工作機械でバランスの取れた工具を使用することは常に合理的です。特に非対称工具の場合、低速回転でもバランスを取ることは意味があります(例:ボーリング加工)。
- 回転時の振動やノイズが理由でツールホルダーが限られた速度でしか回転できないことを経験されたことがあると思います。
その原因はツールホルダーのアンバランスにあります。多くの場合、バランスを修正すると加工条件が大幅にアップするため、加工時間が短縮されます。
「バランス修正済みのツールホルダーを購入すれば、それで十分ではないですか?」
バランス修正済みのツールホルダーの購入はお勧めします。しかし:
- バランスの良いツールホルダーに切削工具を組み付けしたときにどうなるでしょうか?非対称の箇所(例:サイドロック用平取り)がある場合、ツールホルダーにアンバランスが発生してしまいます。
- ツールホルダーメーカーによっては出荷前にバランスを修正(プリバランス)しています。そのプリバランス状態のツールホルダーに工具、プルスタッド、コレット、ICチップなどを取り付けるとバランス状態が変わってしまいます。この状態がISO1940(JIS B 0905)に準拠したバランス状態なのか確認する必要があります。
「バランスの良いツールホルダーは不要です」
最新の機械は高速回転で加工できます。回転体にアンバランスがある場合、遠心力が発生します。遠心力は回転数の二乗分増加します。主軸回転数が2,000rpmの時と、10,000rpmの時で同じアンバランス量でも遠心力は25倍の違いがあります。
- 遠心力によりスピンドルベアリングに負荷がかかり、ベアリングの寿命が短くなります。その結果、高額なスピンドル交換費用が発生してしまいます。
- 工作機械やスピンドルメーカーは、バランスの取れた工具の使用を指定しています。バランスの悪い工具が使用された場合、機械のスピンドルは保証されないことがあります。
- 遠心力の方向は、スピンドルの回転と共に常に変化しています。遠心力により振動が発生するのはこのためです。
- 振動は切削工具の寿命を縮めます。これにより、切削工具のコストが高くなり、表面仕上げの品質が低下します。
「バランス修正は複雑すぎる」
シンプルなバランスシステムでは作業者がアンバランスについての知識が少ないため、正しく操作できないことがあります。そのためバランスシステムの構成が正しくできず、作業者がバランス修正しているにも関わらず、逆にアンバランスを大きくしてしまう可能性があります。
優れたバランスシステムの場合、バランス修正することはとても簡単です。作業者は、バランスを取りたいツールのタイプを選択するだけです。そこからは、バランスシステムが作業者に指示します。作業者には専門知識が必要ありません。
「バランスを取る必要があるのはほんの少しのパーツだけです。そのため、シンプルなシステムで十分です。」
バランス取りが定期的に行われていない場合、作業者の経験値は乏しいです。そのため、バランシングマシンの不適切な取り扱いにより、誤った測定が発生する危険性が非常に高くなります。このような場合には、ユーザーに手順を示すバランシングマシンが重要です。さらに、将来のバランス取りの可能性を制限するようなバランスシステムは採用するべきでありません。
「バランシングマシンの価格はどのくらいですか?」
それはお客様のニーズによって異なります。バランシングマシンは投資であり、投資が正当化されるためには効率的でなければなりません。お客様のニーズを理解し、最適なバランシングマシンを提案いたします。ハイマージャパンに是非お問い合わせ下さい。お手伝いさせていただきます。
「購入したツールホルダーはすでにバランス調整済みです。」
メーカーがバランス修正したツールホルダーを購入することはとても良いことです。より迅速かつ効率的にバランスをとることができます。 しかし:
- バランスの取れたツールホルダーに切削工具をクランプするとどうなりますか?切削工具は非対称であることがよくあります(例:サイドロック用平取り)。多くのツールホルダーには、組み付け後に異なる位置にできる可動部品があります(プルスタッド、クランプネジ、ベアリング、コレット、ロックナットなど)。高速加工用のツール ホルダーは、1 つの完全なセットアップ (ツールホルダー、プルスタッド、コレット、切削ツールなど)として取り付ける場合、常にバランスを取る必要があります。ツールホルダーの要素が変更されると、バランスレベルが変わります。
- すでにあるお客様のツールホルダーはどうでしょうか?バランスのとれたツールホルダーとアンバランスなツールホルダーの混同を避けることはほぼ不可能です。高速回転でアンバランスな工具を使用した1つのプロセスがスピンドルベアリングに損傷を与える可能性があります。このため、「古い」ツールホルダーもバランスを取る必要があります。
- ツールホルダーのバランスが取れているかどうかはどうすれば分かりますか?メーカーから荷物を受け取ると、まず箱の中の商品をチェックし、箱の中の商品の選択と数量が正しいことを確認します。これらのバランスも正しいか確認してみてはいかがでしょうか?「プリバランス済み」ツールホルダーはどのようなバランスレベルで提供されますか?ツールホルダーのバランスのチェックは、特に「バランスの取れた」工具に割増料金を支払っている場合、入荷する商品の品質管理の一部として行う必要があります。
HAIMERバランシングマシンのラインナップ
HAIMER のバランシングマシンシリーズTool Dynamicは、ツールホルダー、砥石車、ローターのバランス測定を高精度に行います。 ラインナップとして、卓上タイプのTD1002から全自動バランシングマシンTDオートマチックまで多岐にわたります。様々なタイプのバランシングマシンを幅広く取り揃えているため、お客様のニーズに応じてバランシングマシンを提供いたします。HAIMERのWebサイトでは、Tool Dynamicシリーズに関する詳細情報をご覧いただけます。
「バランシングマシンは私には高すぎる。」
バランシングマシンは投資です。投資は効率的でなければなりません。購入価格は、投資の効率にわずかな影響しか及ぼさないでしょう。
バランシングマシンが効率的なのは、次のような場合です:
- 生産工程の信頼性を向上させることができる。
- スピンドルの寿命を延ばすことができる(スピンドルを1回交換するだけで、バランシングマシン1台分以上のコストがかかる)
- 機械の停止頻度が減少する。生産において最もコストのかかる要因は機械の停止である。
- 生産性が改善される
- 仕上がり面の向上
- 主軸の最高回転数と送りが利用可能
- スループットの向上
- 工具の寿命が延びる
- 切削能力が向上
全体として、バランシングマシンが扱いやすく、信頼できる再現性のある結果をもたらすことが最も重要です。最終的に、それはあなたの施設で安全で生産的な速度で実行するために、希望のバランスレベルを見つけるための最も簡単な方法を提供する必要があります。取り扱いが簡単で安全なバランシングマシンでそのすべてを得ることは可能であり、望ましい結果に達することを保証します。